前回に続き『がん光免疫療法』の続編です。

2021年6月7日付中日新聞の記事から抜粋します。

現在行われています「がん治療」は手術で取る【外科療法】と、抗がん剤でがん細胞を殺す【化学療法】と【放射線療法】が基本ですが、次に第四の治療法として【免疫療法】が広がりつつあります。

a1

2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授らが開発した治療薬「オブジーボ」は、がん細胞が免疫細胞の表面にある特定の物質に結びついてブレーキをかけてしまうので、オブジーボはこの免疫のブレーキを踏めないようにする働きがあり、一部のがんに大きな効果が表れました。

更に幅広く免疫を制御する仕組みを、大阪大学坂口志文栄誉教授が発見しました「制御性T細胞」です。
この「制御性T細胞」と「光免疫療法」を組み合わせると、がん細胞の多くが破壊され免疫細胞が活発になり、残ったがんも攻撃してくれます。

前回紹介させて頂きました米国国立衛生研究所主任研究員の小林久隆さんらは、「制御性T細胞」にくっつく抗体の開発も進めており、「一度がんを壊すことでワクチンのように相手を覚えて免疫を付け、同じがんの再発まで防ぐ。これがこの治療の完成型」と構想しています。

日本人による二つの発見が、今後の「がん治療」を変えるかもしれません。